平成29年度石川県郷友会の提言

激動の平成29年に国防を想う                      広報担当理事   西沢 真一

小学館発行「週刊ビッグコミック」に連載されている「空母いぶき」(かわぐちかいじ作)はあくまでもフィクションと謳っているが、

中国がかねてより自分勝手に歴史を捻じ曲げて尖閣、沖縄の領有を主張してきてその声をさらに強めている現在、

近未来に発生が予想される先島諸島および尖閣への中国軍の侵攻に対して「空母いぶき」を舞台に

日本国及び日本人の取るべき行動を示唆する物語であります。

この物語はコミックですが決して荒唐無稽の話ではありません。現実に起きないことを願うのでなく、

起きた時にどう対応行動すべきかを考えさせるものです。

戦後70年、日米安保条約と陸海空三自衛隊により日本の安全は保たれてきましたが、前のアメリカ大統領オバマが発した

「アメリカは世界の警察官を辞めた」との意思表示により中国が軍拡を押し進め南シナ海のいくつかの浅瀬を埋め立てて

軍事基地化するとともにその領有権をも宣言するまでになり、大きく地勢的に日本には不利な状態になってきたことは明らかです。

さて現在の学校教育においては、軍事学をせめて大学で学ぶことの必要性を私は常々感じておりますが、

現在日本で軍事学のある大学は唯一防衛大学しかないと思います。特に各省庁へ高級官僚を送り出す

東京大学を頂点とする法学部や経済学部の学生達が自分の国を守るのに必要な国防知識が欠如したままであることや

国防思想が薄い政治家が増えることで国家存亡の危機が訪れた際には「国を守る」という強い意志を持たないリーダー

では国家、国民のために的確迅速に対応できるのかと危惧を抱くものであります。


「空母いぶき」(かわぐちかいじ作)小学館出版
 

最後に個人の意見ではありますが、日本を外敵から守る手段として以下のことを訴えたいと思います。

1. 現在保有するヘリ空母4隻の各1隻を核として4集団を構成し、「オスプレイ」と「シーハリヤー」をセットで搭載して

(補修、休養、待機を考えて最低2セット)太平洋側と日本海に各1セット配置して常時運用する。

2. 事あるときは潜水艦より機雷を敵国沿海に敷設し、敵国海軍の進出を阻止する。また、最新型潜水艦である「そうりゅう型」

に水上艦艇や陸上の敵部隊への攻撃のためトマホーク又は対艦、対地ミサイルを装備する。

3. 既存のサイバー部隊の増強を図り、軍事コンピューターシステムの防護を強化するとともに敵のサイバー攻撃が度重なるときは

「攻撃は最大の防御」に徹して反撃を行う。

4. 敵の攻撃はいつ来てもおかしくないとの考えの基、重要施設の抗堪性の確保と補給、兵站の強化を図り、持続ある反撃を可能とする。


海上自衛隊潜水艦「そうりゅう」(海上自衛隊ホームページより)
 

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